給湯器の寿命が近づき、いざ交換となると誰もが悩むのが「エコジョーズ」にするべきか、「従来型（普通）」にするべきかという選択です。
「エコジョーズは高いけど、ガス代で元が取れるのか？」これが最大の疑問でしょう。
本記事では、高効率なエコジョーズと標準的な従来型給湯器を、熱効率、初期費用、そして最も重要なランニングコスト（ガス代）の3つの側面から徹底的に比較します。
もう迷わない！後悔しない給湯器選びで、賢くお財布に優しい生活をスタートさせましょう。
まずは基本から！「エコジョーズ」と「従来型」の決定的な違い
給湯器の交換を考え始めたとき、誰もが目にする「エコジョーズ」。でも、従来型（普通）の給湯器と一体何が違うのでしょうか？まずはその仕組みと性能の違いを解説します。
仕組みの違い：「捨てていた熱」を再利用するエコジョーズの賢さ
エコジョーズが従来型給湯器と一線を画すのは、まさに「潜熱回収（せんねつかいしゅう）システム」と呼ばれる、排気熱を再利用する仕組みにあります。
これは、熱効率を約80%から約95%へと大幅に引き上げる、省エネ技術の核心です。
従来型：熱を捨てる構造
従来の給湯器では、ガスを燃焼させて熱交換器でお湯を作った後、約200℃にもなる高温の燃焼ガス（排気熱）をそのまま屋外へ放出していました。
ガスの持つエネルギーのうち、約20%がこの排気熱や放熱としてロスされていたことになります。
エコジョーズ：熱を二度使う構造（潜熱回収）
エコジョーズは、この「捨てていた熱」を再利用するために、内部に「二次熱交換器」という独自の部品を追加しています。
二次熱交換器による予備加熱
- まず、水道水が給湯器に入ってきます。
- この水は、通常の加熱工程に入る前に、二次熱交換器を通ります。
- 二次熱交換器は、メインバーナーから出てきた高温の排気ガスが通る経路の真横に配置されています。
- これにより、排気ガスが持つ熱（潜熱）で、水道水があらかじめ温められます（予備加熱）。
少ないガスで最終加熱
- 予備加熱された温かい水が、従来の給湯器にもある一次熱交換器へ送られます。
- この水を、ガスバーナーで設定温度まで加熱します。
エコジョーズが賢い理由
水道水は、二次熱交換器を通ることで既に温められているため、一次熱交換器での最終加熱に必要なガスの量が少なくて済みます。
つまり、エコジョーズはガスの力で「水をお湯にする」のではなく、「温かい水を設定温度にする」だけで済むため、少ない燃料（ガス）で効率よくお湯を沸かすことができるのです。
排熱が「ドレン水」に変わる仕組み
排気熱を回収する際、排気ガスに含まれる水蒸気は冷やされ、水滴に変わります。これが「ドレン水」です。
- このドレン水は、微量ながら酸性を示すため、そのまま排水できません。
- エコジョーズには、ドレン水を中和して無害化する中和器が内蔵されています。
- この中和されたドレン水を屋外へ排出するための排水工事が必要になる点が、設置費用が高くなる主な要因の一つです。
この排熱を回収する仕組みこそが、エコジョーズの賢さであり、光熱費の節約とCO2排出量削減（環境性能）を両立させている決定的な違いです。
性能（熱効率）の違い：ガスの消費量がこんなに違う
エコジョーズと従来型給湯器の性能の差は、そのままガスの消費量の差となります。この差を数値で見てみましょう。
| 給湯器の種類 | 熱効率の目安 | 捨てられている熱の割合 |
| エコジョーズ（高効率型） | 約95％ | 約5％ |
| 従来型（普通型） | 約80％ | 約20％ |
熱効率とは、「投入したエネルギー（ガス）に対し、どれだけ有効にお湯を作るエネルギーとして利用できたか」を示す割合です。
従来型が約20%の熱を無駄にしていたのに対し、エコジョーズは約95%の熱を最大限利用しています。この差が、そのままガスの節約効果に繋がります。
- ガス消費量の削減率：
- 従来型と比較して約12%～15%カットされます。
- （従来型を100%とした場合、エコジョーズは約87%の消費量）
- CO2排出量の削減効果：
- ガスの消費量が減るため、地球温暖化の一因となるCO2排出量も約13%～16%削減されます。
- これは、環境に配慮した「エコ」な選択であることの証明です。
一番知りたい！「ガス代」と「初期費用」の損得勘定
給湯器交換で損をしないための最大のポイントは、初期費用の差額を、ガス代の節約効果で何年で回収できるかを知ることです。
年間でガス代はいくら安くなる？
| 家族構成 | 年間の給湯にかかるガス代（従来型・目安） | エコジョーズによる年間節約額（約15％削減） |
| 単身（一人暮らし） | 約35,000円 | 約5,250円 |
| 2人家族 | 約70,000円 | 約10,500円 |
| 4人家族 | 約120,000円 | 約18,000円 |
| ５人以上 | 約150,000円～ | 約22,500円～ |
※都市ガスかプロパンガスか、またお住まいの地域や季節によって節約額は大きく変動します。
4人家族（床暖房あり）はエコジョーズが最もお得！
- ガスの使用量が多く、節約効果が最大に
- エコジョーズは、ガス消費量を約15%削減します。床暖房やシャワー、追い焚きなど、給湯と暖房でガスを多く使う家庭は、その15%削減分の金額が大きくなります。
- 年間節約額の目安
- 給湯と暖房にかかるガス代の約15%が削減されるため、年間約1.8万円～2.5万円以上の節約が期待できます。
- 初期費用の回収が早い
- エコジョーズの初期費用が仮に従来型より5万円高かったとしても、年間2万円の節約ができれば、わずか2年半で回収（元を取る）できます。
使用量が多い4人家族（床暖房あり）は、初期費用が高くても、長期的に見るとエコジョーズを選ぶとお得になります。
さらに安くなる裏ワザ？ エコジョーズ限定の「ガス料金割引」
エコジョーズに交換すると、多くのガス会社が専用のお得なガス料金メニューを適用してくれます。機器による節約に加え、料金そのものが安くなるという二重のメリットが得られます。
エコジョーズの導入を決めたら、必ず以下の点を確認しましょう。
- 契約中のガス会社に確認:
- 「エコジョーズを導入した場合に適用される、最もお得なガス料金プラン」を問い合わせてください。
- プランの適用条件:
- 割引を受けるためには、多くの場合、ガスの使用契約を切り替えるための申し込み手続きが必要です。
- 都市ガス vs. プロパンガス:
- これらの割引プランは都市ガス会社が提供しているケースが主です。プロパンガス（LPガス）の場合は、ガス販売店によって独自の割引や優待があるかを確認しましょう。
エコジョーズは、機器の力だけでなく、料金プランの力も借りて、従来の給湯器を圧倒する経済性を実現しているのです。
【要チェック】国や自治体の「補助金」で初期費用がグッと下がるかも
エコジョーズ導入をためらう最大の理由は、従来型に比べて初期費用が高くなる点です。しかし、エコジョーズは省エネ性能が高く、環境負荷の低減に貢献するため、国や自治体が補助金や助成金の対象としているケースが多くあります。
国は、省エネ機器の普及を目的とした補助事業を年度ごとに実施しています。国の補助金は予算の上限があり、達し次第、期間内でも受付が終了します。交換を決めたら、すぐに動き出す必要があります。
国の制度とは別に、独自の環境施策として、多くの地方自治体が給湯器交換費用の一部を補助を行っている場合があります。
補助金を確実に受け取り、初期費用を下げるためには、「情報収集」「業者選び」「タイミング」の3点が非常に重要です。
- 「情報」を自分で確認する
- 役所（自治体）のホームページをチェック！
- 国の補助金は予算切れで突然終わるので、常に最新の募集状況を確認しましょう。
- 「業者」にまず相談する
- 給湯器の交換業者に、「補助金申請のサポート」ができるか、実績があるか確認してください。
- 国の補助金を使うには、業者が特別な登録をしている必要があります。
- 「工事前」に「補助金を使いたい」と伝える
- 補助金の話は、見積もり依頼と同時に業者に伝えてください。
「エコジョーズは本体が高い」というイメージがありますが、単なる「本体価格」の比較ではなく、「補助金を引いた後の実質負担額」で比べることが、給湯器選びで絶対に損をしない最大のコツです。
初期費用は高い？ その差額は何年で元が取れるのか？
結論から言うと、エコジョーズは「買ったときは少し高いが、数年で元が取れ、その後はずっと得をする」給湯器です。
1.初期費用の差額は「約3万～5万円」
本体代と工事費を合わせると、エコジョーズの方が従来型より「約3万円～5万円」高くなります。
※エコジョーズ特有の「ドレン排水工事（結露水を流す管を作る工事）」が必要なためです。
※床暖房対応の「給湯暖房機」の場合は全体的に価格が上がりますが、差額の幅は大きく変わりません。
2.回収期間は「約2年～4年」
4人家族（床暖房あり）の場合、年間のガス代節約額は約1.5万～2.5万円になります。この節約分で初期費用の差額を埋める計算をすると以下のようになります。
| 差額のケース | 年間の節約額 | 元が取れるまでの期間 |
| 3万円高い場合 | 2万円節約 | 約1.5年 |
| 5万円高い場合 | 2万円節約 | 約2.5年 |
| 5万円高い場合 | 1.5万円節約 | 約3.3年 |
3.給湯器の寿命（10年）で考えると？
給湯器の寿命は約10年です。
- 最初の2～3年：初期費用の差額をガス代で回収。
- 残りの7～8年：年間2万円ずつ、合計14万～16万円も家計が浮く計算になります。
つまり、「10年間のトータルコスト」で比べれば、エコジョーズの方が圧倒的に安いのです。
損をしないための注意点
回収期間を考える上で、以下の2点だけ頭に入れておいてください。
- 中和器の交換（約10年目）：エコジョーズ特有の部品「中和器」の寿命が来ると、交換に1.5万～3万円程度かかることがあります。ちょうど買い替え時期と重なることが多いですが、一応のコストとして知っておきましょう。
- プロパンガスはもっと早い！：プロパンガスは都市ガスより料金が高いため、節約額がさらに大きくなり、わずか1～2年で元が取れるケースも珍しくありません。
なぜ「どこで設置するか」が重要なのか？ 和光が教える施工のポイント
エコジョーズは高性能な分、その性能を100%引き出すには「正しい施工」が不可欠です。安さだけで業者を選ぶと、後悔するかもしれません。
（最重要）エコジョーズの性能を引き出す「ドレン排水工事」とは？
エコジョーズを設置するには、エアコンの室外機から出る水のように、本体から出る水を「適切な場所」へ逃がす工事が必要です。
1.なぜ工事が必要なの？
- 水が出るから：1日あたり、多い時で1リットル～1.5リットルほどの水が出ます。
- そのまま流せないから：この水は少し酸性のため、建物の土台を傷めないよう「中和器」を通し、適切な排水口へ導く必要があります。
2.どこへ流すのが正解？（代表的な場所）
設置環境によって異なりますが、主に以下の3ヶ所です。
- 雨どい（縦どい）：最も一般的な接続先です。
- 汚水桝（おすい ます）：地面にある排水用のフタがある場所です。
- 浸透桝（しんとう ます）：地面に砂利などを敷き、水を地中に逃がす専用の仕組みです。
3.マンションでも大丈夫？
マンションでは、給湯器がどこにあるかによって工事の内容が変わります。
- 三方弁方式：お風呂の配管を利用して、浴室内に排水を逃がす特殊なタイプがあります。これを使えば、マンションの規約でベランダに水を流せなくても設置可能です。
メーカー・ガス会社基準を守る「安全・正確な施工」の重要性
せっかく高いお金を払ってエコジョーズを導入しても、工事がずさんであればその性能は発揮されません。損をしないために知っておくべき施工のポイントは以下の3点です。
1.「ドレン排水」のルールを厳守しているか
前述の通り、ドレン排水は適切に処理する必要があります。
- NG施工：通路や地面に垂れ流す（冬場の凍結転倒事故や、建物の基礎を傷める原因になります）。
- 正しい施工：各自治体やメーカーの規定に基づき、雨水管や汚水管へ適切に接続し、確実に固定すること。
2.「資格」を持った作業員が工事しているか
ガス機器の設置には、専門の国家資格や公的資格が必要です。
- 必要な資格例：ガス可とう管接続工事監督者、液化石油ガス設備士（プロパンの場合）、給水装置工事主任技術者など。
- リスク：無資格者による施工は、ガス漏れや火災のリスクを高めるだけでなく、メーカーの製品保証が一切受けられなくなる可能性があります。
3.「設置基準（離隔距離）」を守っているか
給湯器には「壁から〇cm離す」「窓から〇cm離す」といった、安全のための設置基準があります。
- 安全の確保：基準を守らないと、排気が室内に逆流したり、周囲の壁が熱で変色・発火したりする恐れがあります。
- メンテナンス性：基準通りに設置されていないと、将来の修理時に作業スペースがなく、修理を断られるケースもあります。
エコジョーズは、従来の給湯器よりも精密な内部構造をしています。そのため、メーカーが指定する「標準施工」を忠実に守ることが、最大の節約（長寿命化）に直結します。
あなたの家はどっち？ タイプ別おすすめ診断
ご家庭の状況によって、最適な給湯器は異なります。
「エコジョーズ」が絶対おすすめな人
1.家族の人数が多い、またはお湯をたくさん使う人
エコジョーズは「たくさん使えば使うほど、節約額が増える」仕組みです。
- 4人以上の家族で毎日お風呂を沸かし、シャワーを頻繁に使う。
- 床暖房や浴室暖房乾燥機を使っていて、冬場のガス代が高くなりやすい。 これらに該当する場合、年間で約1.5万～2.5万円のガス代が浮くため、家計へのメリットが非常に大きくなります。
2. 「初期費用はかかっても、トータルで得したい」人
目先の安さよりも、「10年間の総支出」を重視する賢い選択をしたい方には、エコジョーズ一択です。
- 最初に数万円多く払っても、わずか2～4年でその差額は回収できます。
- 5年目から10年目までの残りの期間は、毎年浮いたガス代がそのまま「貯金」になるのと同じです。
- 給湯器の寿命（約10年）を終える頃には、従来型を選んだ場合よりも合計で10万円以上もおトクになっているケースがほとんどです。
「お湯をたっぷり使う」「長く住む」なら、エコジョーズは最も確実な投資になります。
もし迷われているなら、まずは業者に「エコジョーズにした場合と、従来型にした場合の『10年間のトータル費用』を比較した見積もり」を依頼してみてください。数字で比較すれば、どちらがあなたにとって正解か一目で分かります。
「従来型」でも良いかもしれない人
1.お湯の使用量が極端に少ない人
- 一人暮らしや、日中ほとんど不在の方：ガスの使用量そのものが少ないため、年間で数千円程度しか安くならない場合があります。初期費用の差額（数万円）を回収するのに10年以上かかってしまうなら、従来型の方が手堅い選択です。
2.近い将来、引っ越しや建て替えの予定がある人
- 「あと2～3年で家を壊す」「近いうちにマンションを売却する」という方：エコジョーズが元を取るには、最低でも3～4年は使い続ける必要があります。元を取る前に手放すのであれば、初期費用が安い従来型の方が支出を抑えられます。
3.ドレン排水の工事が物理的に難しい、または高額になる人
- 設置場所の周りに排水口がない：エコジョーズの排水管を引くために、コンクリートを長く削ったり、大がかりな配管工事が必要になったりするケースです。
- 工事費が跳ね上がる場合：排水工事だけで数万円上乗せされるようなら、ガス代での回収が遠のくため、従来型の方が安上がりになることがあります。
4.複雑な機能を求めず、とにかく初期費用を安く抑えたい人
- 予算が限られている：今すぐの出費を1円でも減らしたい場合や、予期せぬ故障で急いで安く済ませたい場合など。
- 構造がシンプルな方が安心：エコジョーズは中和器などの専用部品が多い分、従来型に比べて構造が複雑です。「10年後のメンテナンス（中和器交換）などの手間を考えたくない」という方は、構造が単純な従来型が向いています。
【ラインナップ】リンナイ・ノーリツ・パロマ 各社エコジョーズも豊富にご用意
エコジョーズの良さを理解したら、次は「どの機種を選ぶか」です。一口にエコジョーズと言っても、家族構成やライフスタイルによって、最適な号数（お湯を作る能力）や機能は異なります。
ハウレッシュショップ和光では、ノーリツ、リンナイ、パロマといった主要メーカーの製品を幅広く取り扱っております。
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給湯器は、一度交換すれば10年以上使い続ける「住まいの心臓部」とも言える大切な設備です。だからこそ、ハウレッシュショップ和光は、価格の安さだけでなく「設置後の長期的な安心感」に最もこだわっています。
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主要メーカーのガス給湯器・エコジョーズはこちら
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まとめ：ガス代を本気で節約したいなら、エコジョーズは「賢い投資」です
エコジョーズと従来型の違いは「ガス代の節約効果」と「初期費用」
無駄に捨てていた熱を再利用することで、ガス代を約10～15%カットします。
お湯をしっかり使うご家庭なら、数年で元が取れるためエコジョーズが断然お得
特に4人家族や床暖房をお使いの場合、年間の節約額が大きいため、初期費用の差額はすぐに回収でき、その後は使えば使うほど家計が楽になります。
ただし、性能をフルに発揮するには「信頼できる業者」での「正しい施工」が不可欠
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